囲炉裏庵タイトル 囲炉裏庵タイトル 囲炉裏庵タイトル 囲炉裏庵タイトル 囲炉裏庵タイトル
現在の位置
>トップ
>カンマンボロン




ブログ

カンマンボロン

 山行日:平成22年12月5日

1.カンマンボロンとは

地元の増富小学校ホームページに下記のような記事があります。
『瑞牆山中の岩峰の中に、洞ヶ岩という洞窟のある岩峰があります。この洞窟は奥行約5メートル・幅15メートル・高さ40メートルの大きい洞窟です。その奥に約7メートルの花崗岩の岩盤があり、これに梵字が刻まれています。字は『カンマンボロン』と読むといわれている。それは大日如来・不動明王の意であるといわれています。昔、弘法大師が霊場選定のために来て、この山の姿を愛しここを霊場とし梵字を刻まれました。しかし霊場とするには、八百八谷を要したが増富の地では、谷数が不足するためこの地を去っていきました。今も山中に大日岩があり、その背後に不動明王をお祭りしています。』


瑞牆山(百名山のひとつ)の西側にある洞ケ岩に丸印を付けた洞窟がカンマンボロンです。
緑の線が登ったパノラマルートで、青い線は一般登山道です。


カンマンボロンと真下から見上げた洞窟。


少し離れた位置からの洞窟の姿です。

2.何処にあるの?

 奥秩父山地の最西にある瑞牆山の中で、中央高速の須玉ICから北上し、増富ラジムウ温泉街を抜けて車を走らせます。

 
 平成13年天皇陛下を招いた植樹祭の跡地が「みずがき山自然公園」として活用され、ここに車を駐車します。

3.パノラマルート

 登山地図にも、国土地理院発行25000分の1の地図にも、そして・・・

 この公園の案内板にもカンマンボロンの名はありますが、道の表記がありません。
 事前に、白水社発行 日本登山大系第8巻 瑞牆山の項を調べてましたら、岩登り屋が岩に取付くためのパノラマルートで行けることが分かりました。


 多くのWEBサイトに「五差路を左斜め前方向への路を登って行く」とあるものの、その五差路が何処にあるのだろうか・・・と不安もあり、現にここには標識など一切無く、家内も「何故この方向なの?」と不思議がってましたが、100m程先の赤丸の所に、

 このような掲示があり、まさしくここがカンマンボロンへ続くパノラマルートの入口なのです。沢筋を登る一般登山道に対し、良い景色がみえるから「パノラマ」と呼ばれるようになったのではと推測します。

 このパノラマルートは踏み跡程度の路で、シグナル(ルートを示す人工物)も疎らにしかなく、ルートファイティング(路探しながら歩く)を要求されます。
 木にあるペイント「カ」はカンマンボロンは矢印の方向だとの意のようです。


 カンマンボロンは洞窟状の天井が遠方からもよく見えるので目印となります。
 下ばかり見ているといつのまにかパノラマルートから外れ、次のシグナルが中々現れなくなり、こうなると路を間違えていることになります。途中一箇所、登る尾根が違っていることに気づき、東隣の尾根に移ったらシグナルを発見した時はホッとしました。絶えずカンマンボロンを確認しながら登ります。
 今回は家内が先頭を歩き、私が(声が届く距離である)10m程後ろから歩いて行くことにしました。(一緒に並んでしまうと二番手はルートを探さなくなるからです。)


4.行程

 7:00 みずがき山自然公園出発
 8:10 カンマンボロン
 9:45 ルート喪失
 10:40 一般登山道に出る
 11:20 瑞牆山山頂 (バックは八ヶ岳)
    
 11:50 下山開始
 13:30 富士見小屋通過
    
 14:00 みずがき山荘着
    
 15:00 みずがき山自然公園到着
    

5.ルート喪失

 一般登山道と合流する辺りの出来事です。  シグナルや下山危険警告標示板を確認しながら進んでいると、ロープが張られている箇所となったため、引き返しては一般登山道に出る路を探すこととなりました。ルート喪失です。
 しばらく探していると、下方から熊除けの鈴の音が聞こえてきて登山者が歩いて来ることは分かるのですが、我々の目の前には現れなく、鈴の音も消えてしまいます。焦りは禁物。とりあえず休息タイムをとり、落ち着くことにしました。
 周辺を動き回って地形の概略を把握し、鈴の音も聞こえているので、歩く方向は間違っていない事を確信し、分かっているシグナルまで戻り、再度丁寧に路を辿ることにします。

 これが下山危険警告標示板です。(我々が登ってきたパノラマルートへの下山は危険であると言うことです。)
 そして、歩みを進めていくと、赤い矢印の方向から来るのですが、やはり先程と同じこのロープに…、

 「そうか! このロープは一般登山者が下山の時にパノラマルートへ入り込まないように張ってある訳で、我々はこれを超えればいいんだ!」と気づき、あっけなく一般登山道に合流することができました。この間、約一時間。時刻が早かったので心配はなかったけど、焦ることでよからぬ所から転落したりと、遭難とはこういう場面から起こるのかなと思ったりもしました。

カンマンボロンを見ることができ、地図に無いパノラマルートも歩けたし、久々にワクワク・ドキドキした山行となりました。

   >トップ >カンマンボロン